2023-01-29

『台湾の少年』『韓国文学の中心にあるもの』刊行記念ライブトーク

近年、韓国・台湾の書籍が、これまで以上に数多く日本で翻訳・出版されるようになりました。この活発化には、それぞれの政府が熱心に自国の文化発信につとめていることも関連していますが、それ以上に読者の関心の高まりがあります。韓国や台湾の文学、あるいは漫画やノンフィクションを通して、日本の読者は何に出会い、惹きつけられているのでしょうか。

膨大な韓国文学の魅力を、終わらない朝鮮戦争と分断の経験、そして日本の植民統治の歴史との関わりにおいて整理した『韓国文学の中心にあるもの』。日本統治時代の台湾に生まれ、白色テロの被害に遭いながら戦後を生き延びた人物の伝記漫画である『台湾の少年』。表現ジャンルや対象とする地域は違えど、あわせて読むと二つの本が共通する時代・経験を取り上げていることがわかります。すなわち、日本の植民統治の歴史、戦後の冷戦構造とそれによる分断、独裁政権下での白色テロと、民主化運動。

日本人が戦後の繁栄を享受する間に、台湾・韓国では何が起きていたのか。また戦前から戦後まで一貫して日本とも関わりが深いこれらの時代を、台湾・韓国の作品はどのように描いてきたのか。現在、この二つの地域の作品がこれほどの広がりを持って日本の読者に受け入れられている背景には、日本と両国の交流が深まるなかで、それぞれの歴史経験について、あらためてもっとよく知りたい、もっとよく理解したいという願いがあるからではないでしょうか。

『韓国文学の中心にあるもの』の著者、斎藤真理子さんと、『台湾の少年』の訳者、倉本知明さんをお招きして、二つの魅力的な書籍から韓国・台湾双方の歴史をひもとき、それにまつわる作品についてお話をうかがいます。
たくさんのご参加をお待ちしております。

■イベント情報
日時:2023年2月9日(木)19:00~20:30(終了時間は変更の可能性あり)
場所:誠品生活日本橋/オンライン(Zoomウェビナー)
※社会情勢によりイベントを延期・内容変更・中止する場合がございますので、予めご了承下さい。

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会場観覧オンライン

書名:『台湾の少年 第四巻 民主化の時代へ』
著者:游 珮芸 (著)、周 見信 (著)、倉本 知明 (翻訳)
出版社:岩波書店
発売日:2023年1月予定
価格:2,640円(税込)
ISBN:9784000615488

書名:『韓国文学の中心にあるもの』
著者:斎藤真理子
出版社:イースト・プレス
発売日:2022年7月10日
価格:1,650円(税込)
ISBN:9784781620930