2025-03-23

刊行記念トーク&リーディング「わたしたちの詩の庭」

台湾と日本を代表するふたりの詩人、14年ぶりの再会。

「韻律の詩人」として知られる陳育虹さんは、「自然」に潜む謎を音楽的で新しい言葉で捉えなおし、国際的に高い評価を受けています。
そして存在の根源を詩でしかありえない形であらわす杉本真維子さんは、2023年の台湾詩歌節にも参加するなど、台湾の詩に深い関心を寄せてきました。

2011年の陳さんの来日時に出会い、時間を共有した陳さんと杉本さん。
今回、陳さんの代表作の日本語訳『薄明光線その他』(思潮社)刊行を記念して、14年の時を経て再会しふたりが、お互いの詩について語り合います。

トークのテーマは「わたしたちの詩の庭」。
『薄明光線その他』の原題「霞光」は、明け方や夕方の「雲間から漏れる光」を意味し、その光が照らす、陳さんの詩の「庭」は「野生の庭」であると描かれています。
杉本さんの最新詩集『皆神山』もまた、自然への畏怖、生の本質を問う1冊です。
ふたりの詩の庭には、どんな光が射し、何が生い茂っているのでしょうか――。
豊かな対話と詩の朗読をお楽しみください。

■イベント情報
日 時:2025年3月23日(日) 13:00~15:00
開 場:12:45
定 員:会場観覧 40名
場 所:誠品生活日本橋内 イベントスペース「FORUM」
参加費:1,000円(税込)

イベントお申込みはこちら

  • ■登壇者紹介
    陳育虹(Chen Yuhong、チェン・ユィホン、ちん・いくこう)
    1952年、台湾高雄市生まれ。文藻外語学院英文科卒業。
    主な詩集に『索隠』(宝瓶文化出版社、2004年)、『魅』(宝瓶文化出版社、2007年)、『之間』(洪範書局、2011年)、日記体散文集に『2010/陳育虹――365度斜角』(爾雅出版社、2011年)がある。訳詩集にマーガレット・アトウッド『イーティング・ファイア』、ルイーズ・グリュック『野生のアイリス』、アン・カーソン『ショート・トークス』がある。
    作品は英語、日本語、フランス語、オランダ語に翻訳されている。
    2017年に「聯合報文学大賞」、2021年に中国文芸協会「文学翻訳賞」、2022年にスウェーデンの文学賞チカダ賞を受賞した。邦訳に詩集『あなたに告げた』(思潮社、2011年)がある。

  • 杉本真維子(すぎもと・まいこ)
    1973年、長野県生まれ。学習院大学文学部哲学科卒。
    2002年第40回現代詩手帖賞受賞。詩集に『点火期』(2003年)、『袖口の動物』(2007年、第58回H氏賞・第13回信毎選賞)、『裾花』(2014年、第45回高見順賞)、『皆神山』(2023年、第31回萩原朔太郎賞)、そのほかの著作に散文集『三日間の石』(2020年)などがある。
    詩集『裾花』は中国語に訳され、台湾でも刊行されている(2020年、蔡雨杉訳)。
    2008年より宇都宮アート&スポーツ専門学校文芸創作科で現代詩研究を指導。詩や小説の批評も多数寄稿。
    最新刊に『現代詩文庫253 杉本真維子詩集』(2024年)。

  • ■書籍情報
    書籍:『薄明光線その他』
    著者:陳育虹 訳者:佐藤普美子
    価格:2,640円(税込)四六判並製・272頁
    ISBN:978-4-2798-9 出版社:思潮社
    発売日:2025年3月21日

    「ごらん/庭をまるごと/野生に放つ」(「幾何学」より)。
    いま、名もなきものとなり、ひらかれた野生の庭へ――。歴史や災禍を捉えた機会詩、母の
    戦争の記憶が交差する長篇詩など、3つの章が織りなす深淵な世界。失われしもの、消え
    逝くもの、不可視のもの――不在のものを言葉によって喚び起こす。台湾を代表するチカダ
    賞受賞詩人の到達点、待望の完訳。

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