2020-01-28

美少女の美術史報告会 トリメガ研究所トークショー 日本と台湾の展覧会のつくり方



台北の国立台北教育大学北師美術館で2019年8月24日〜11月24日まで開催されていた「美少女の美術史」展のキュレーションチーム「トリメガ研究所」を迎え、本展の舞台裏から、日本と台湾の展覧会の作り方の違いや親和性をお話しいただくとともに、展覧会を通じての文化交流の可能性を学びます。

「美少女の美術史」展は 現代日本文化で欠かすことのできない「美少女」をモチーフとし、その表現の歴史を振り 返ることで、「少女」という概念に投影された人々の意識を浮かび上がらせようというコンセプトの展覧会です。「少女」という概念が誕生した近代を経て、「美少女」が日々メディア をにぎわす現代にいたるまでの様々な少女のイメージを紹介し、「少女」に仮託されてきた日本の美意識や欲望の在処を探ることを試みました。

江戸の花ともいうべき浮世絵から、近代に 隆盛した美人画、少女たちの心をとらえた叙情画、さらには戦後文化を象徴する漫画やア ニメ、フィギュアといったキャラクター文化、そして現代社会における少女イメージを表したアート作品まで、多彩なジャンルの作品を紹介し、近現代の人間表象を考察するための新たな視点を提起しています。

本展覧会は2014年度に青森県立美術館、静岡県立美術館、島根県立石見美術館の共同企画展として開催されたものをベースとし、台湾と日本の文化交流の現状を踏まえ、展示の再構成を行っています。

今回のトークでは、展覧会の紹介に加え、斬新な空間を持ち意欲的な展示を数多く行う北師美術館の魅力や、台湾とのキュレーション作業、オープン後の観覧者の反応などをとおして得られた台湾と日本の文化的親和性について考えます。

イベント概要
【講師】トリメガ研究所
トリメガ壱号 川西由里(かわにし ゆり)さん
トリメガ弐号 工藤健志(くどう たけし)さん
トリメガ参号 村上 敬(むらかみ たかし)さん 
【日時】2020年1月28日(火) 19:00 〜 20:30 ※開場18:30~
【場所】COREDO室町テラス2階 誠品生活日本橋FORUM
【ご参加】無料。椅子席 50名(事前にご予約が必要です)
ご予約はこちら
【企画協力】本屋しゃん

出演者プロフィール
トリメガ研究所とは ジャンルの垣根を超え、広く視覚文化について考察する展覧会の開催を目的とし、3人の学芸員が結成したチーム。これまで、2010~11年の「ロボットと美術」展(2010年度美連協大 賞奨励賞、第42回星雲賞・自由部門ノミネート)2014~15年の「美少女の美術史」展 (2014年度美連協大賞奨励賞)、2018年には「めがねと旅する美術展」(2018年度美連協大賞奨励賞)を開催。美術に とどまらず文学・科学・漫画・アニメ・ホビーといった領域を横断する作品セレクトや、 開催館ごとに出品作品の異同があるだけでなく構成まで変えてしまう展示スタイル、また 首都圏や関西などの大都市圏にない地方公立美術館の連携による運営など、従来の美術展、 巡回展のあり方を問い直す活動が話題となる。展覧会ごとにその象徴となる新作アニメー ションを制作し、会場で上映することも恒例となっている。チーム名の由来は3人ともめ がね着用者であること(=トリプルメガネ)、また一説に「めがねっ子」愛好者であるた めともいわれる。

トリメガ研究所メンバー
トリメガ壱号 川西由里(かわにし ゆり)
島根県立石見美術館専門学芸員。大阪府出身。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了(芸術学専攻)。2000年より 島根県立石見美術館の開館準備を担当し、2005年の開館より同館に学芸員として勤務。 専門領域は日本美術史(近代絵画)。企画に携わった主な展覧会に「森鷗外と美術」 (2006年)、「モダンガールズあらわる。昭和初期の美人画展」(2008年)、「大下藤 次郎の水彩画」(2008年)、「和歌と美術」(2013年)、「没後70年 北野恒富展」 (2017年)など。

トリメガ弐号 工藤健志(くどう たけし)
青森県立美術館学芸員 福岡県出身。大阪教育大学美術教育学専攻造形芸術学専修修了。1993年~1998年、田川 市美術館(福岡県)。1998年~2006年、青森県立美術館の建設準備に携わり、2006年よ り現職。 専門領域は戦後の日本美術、文化史。企画に携わった主な展覧会に、「立石大河亞1963- 1993」(1994年)、「山本作兵衛展」(1996年)、「縄文と現代」(2007年)、「ラブ ラブショー」(2009年)、「Art and Air」(2012年)、「成田亨 美術/特撮/怪獣」 (15年)、「ラブラブショー2」(17年)など。

トリメガ参号 村上 敬(むらかみ たかし)
静岡県立美術館上席学芸員 1971年、宮城県生まれ。東京大学大学院博士課程単位取得満期退学(文化資源学研究専攻)。1998年、香川県文化会館学芸員。2002年より現職。 企画に参画した主な展覧会に「〈彫刻〉と〈工芸〉―近代日本のわざと美」(2004年)、「ボックスアート展」(2007年)、「維新の洋画家 川村清雄」(2013年)、「再発見!ニッポンの立体」(2016年)など。共著に『美術史の余白に―工芸・アルス・現代美術』(美学出版、2008年)。

トリメガ研究所 公式WEBサイト