この4月に亜紀書房から出版された酒井隆史さんの新著『賢人と奴隷とバカ』の刊行を記念して、トークイベントを開催します。
お話のお相手は誠品生活日本橋イベントの常連にして、今年3月に弊店で酒井さんとディヴィッド・グレーバーの『価値論』を巡る議論にご出演いただいた森元斎さんです。
【アーカイブ配信】
『価値論』(D・グレーバー著・以文社)刊行記念 酒井隆史氏(大阪公立大学教授)×森元斎氏(長崎大学准教授)ライブトーク『グレーバーとは誰か?』
2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の後、過去十年あまりにわたってこの社会で起きたのは、“ネオリベラルな世界秩序への遅ればせながらの全面的順応の過程”(著者あとがきより)でした。
この事態に加えて、ますます言論が硬直化、一元化しているかにも見える状況への応答として、冒頭の魯迅の小品『賢人と馬鹿と奴隷』をモチーフとして描かれたパロディについての文章を始め、この間紡がれた著者のエッセイをまとめた同書は、多くの読者に是非読んでいただきたい一冊です。
今回はこの本に含まれる数々の視点を、酒井さんと森さんの議論により可視化していただき、より深い理解を得るための貴重な機会になろうかと思います。是非ふるってご参加ください。
■イベント情報
日時:2023年8月9日(水)19時30分~21時00分(終了時間は変更の可能性あり)
場所:会場/オンライン(zoomウェビナー)
参加費:無料
※社会情勢によりイベントを中止する場合がございますので、予めご了承下さい。
お申込みはこちら
会場観覧/オンライン
酒井隆史(さかい・たかし)
大阪公立大学教員、社会思想史、都市社会論。主要著作に『通天閣』(青土社、2011年)、『完全版自由論』(河出文庫、2019年)、『暴力の哲学』(河出文庫、2016年)、『ブルシット・ジョブの謎』(講談社現代新書、2021年)、『誰が何に隷従するのか』(亜紀書房、近刊)など。
訳書に、P・クラストル『国家をもたぬよう社会は努めてきた』(洛北出版、2020年)、M・デイヴィス『スラムの惑星』(明石書店・監訳、2010年)、D・グレーバー『ブルシット・ジョブ』(岩波書店・共訳、2020年)、『官僚制のユートピア』(以文社、2017年)、『負債論』(以文社・監訳、2016年)、『アナーキー』(以文社、近刊)、D・ウェングロウ+D・グレーバー『万物の黎明』(光文社、近刊)。
森元斎(もり・もとなお)
1983年東京生まれ。長崎在住。専攻は、哲学・思想史。学位は博士(人間科学)(大阪大学、2015年)。中央大学文学部哲学科卒業、大阪大学大学院人間科学研究科修了。日本学術振興会特別研究員、パリ第十大学研究員などを経て、現在、長崎大学教員。ホワイトヘッド哲学を中心とした現代思想や、アナキズムに関する思想の研究を行っている。
著書に『具体性の哲学』(以文社、2015)、『アナキズム入門』(筑摩書房、2017)、『国道3号線』(共和国、2020 年)、『死なないための暴力論』(集英社インターナショナル、近刊)、『アナキズムという生き方』(青弓社、近刊)など。共訳書に、H・フラスベック+C・ラパヴィツァス『ギリシャ デフォルト宣言』(河出書房新社、2015) 、G・ハーマン『思弁的実在論入門』( 人文書院、2020)、D・グレーバー『反転する革命』(以文社、近刊)。