2026-02-01

【誠品選書】2026年2月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2026年2月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『ドッペルゲンガー』
    著者:ナオミ・クライン 出版社:岩波書店
    リベラル左派のジャーナリストである著者は
    極右の陰謀論者へと変節したナオミ・ウルフ
    としばしば混同されてきた。「もうひとりの
    ナオミ」を案内人に、相手側の世界について
    考え、彼らの行動は私たちにとっての警鐘と
    して受け止めなければならないと論じた書。

  • 『レシタティフ』
    著者:トニ・モリスン 出版社:晶文社
    児童養護施設の同室で育った異なる人種の二
    人の女性が、成長する過程で数年ごとに再会
    する様子を描く。どちらが白人でどちらが黒
    人なのかは伏せられており、再会のたびに読
    者の推測は揺さぶられる。トニ・モリスンが
    1983年に発表した唯一の実験小説。

  • 『オルタナティブ民俗学』
    著者:島村恭則 畑中章宏 出版社:誠光社
    本書は東北や沖縄、ジェンダー、アートなど
    身近な話題から、「いま」を生きる私たちの文化を
    見つめ直す対談集。民俗学が過去を保存する
    学問ではなく、「いま」を読み解くための視点
    でもあることが再認識でき、日常が少し違っ
    て見えてくる。

  • 『こどもと民主主義をつくる』
    著者:藤原さと 出版社:平凡社
    民主主義を守るために必要な教育が、これま
    で現実には幼児からティーンエイジャーまで
    の重要なタイミングで、どのように考えられ
    実践され、今後どうあるべきなのか。
    社会の分断や排外主義の高まりに立ち向かう
    教育のあり方を問う一冊。

  • 『バウムガードナー』
    著者:ポール・オースター 出版社:新潮社
    一昨年没した作家の遺作である本書には、作
    家の分身のように見える老人が登場する。30
    年前に先立った妻の喪失を胸に、日々を空し
    く過ごす彼が、ある出来ごとをきっかけに、
    やがて訪れるだろう自身の死に向き合い始め、
    行間の余白に、私たちは自らを重ね始める。

  • 『歴史は“強者ファースト”か?』
    著者:板垣竜太 他 出版社:岩波書店
    歴史の記述や解釈は、権力者の都合で恣意的
    に行われがちであり、結果負の歴史は改ざん
    され、自国を賛美する一面的で勇ましい“物
    語”が人々を誘導するための道具として使わ
    れる。それらに対抗し、多角的に歴史を捉え
    る視点を学ぶためには。

  • 『アフリカから来たランナーたち』
    著者:泉秀一 出版社:文藝春秋
    年始に開催される「箱根駅伝」で快走するケ
    ニア人留学生たち。彼らはケニアでどんな暮
    らしをしていて、どうやって日本に来て、そ
    して卒業後は何をしているのか。ケニアで現
    地取材して書き上げられた本書から、「生きる
    ために走る」彼らの姿が浮かび上がってくる。

  • 『沈黙をあなたに』
    著者:マリオ・バルガス・リョサ 出版社:集英社
    2025年4月に亡くなった、ノーベル文学賞作
    家、バルガス=リョサの最後の小説。ペルー
    の伝統音楽クリオーリョを題材に、ギターの
    旋律に象徴される「文化」が、分断された社
    会を結び直す力を持つのではないか、という
    著者の希望が託されている。

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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。

2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。