2026-07-01

【誠品選書】2026年7月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2026年7月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『ファイア・ドーム 上下』
    著者:辻村深月 出版社:小学館
    北陸の地方都市で、25年前に起きた二つの事
    件と現在の児童失踪事件。これらの事件の繋
    がりと、娯楽のように消費される「噂」に翻
    弄され傷ついていく関係者の姿を追った社会
    派長編ミステリー。重い内容の小説だが、希
    望の持てるラストに救いの光がある。

  • 『六人部屋の十三年間』
    著者:頭木弘樹 出版社:晶文社
    13年間を病室で過ごした著者が綴るエッセイ。
    病気を不幸や恐怖として描くのではなく、カ
    ーテン一枚の距離で繰り広げられる生とユー
    モアをすくい上げる。入院という未知の世界
    を旅するように覗き、闘病中の方はもちろん、
    人生の空白に悩む人の心に優しく寄り添う一冊。

  • 『ながい窖』
    著者:手塚治虫 出版社:法政大学出版局
    手塚治虫が1970年に発表した同作品は、400
    巻を超える手塚治虫全集にも収められてい
    なかったが、今回原稿からの再スキャンで
    復刊された。戦前から戦後にかけての在日
    朝鮮人の姿を通し忘却された歴史や差別の
    実態を克明に描き出し、詳細な解説を付す。

  • 『マスキズム 新たな独占の時代』
    著者:クィン・スロボディアン ベン・ターノフ 出版社:飛鳥新社
    イーロン・マスクのインフラ無しには大国の
    基幹システムすら機能しない現代の社会シス
    テム、すなわち「マスキズム」は、グローバ
    ル資本主義の変質が生み出した「症状」であ
    る。この新しい権力の形にどう向き合うか、
    人類は今、深刻な問いを突き付けられている。

  • 『ことばのヤングケアラー』
    著者:アジズ・アフメッド 出版社:クリエイツかもがわ
    「ことばのヤングケアラー」とは外国にルーツ
    を持ち、日本語を理解できな家族に代わり、「日
    本語ができるから」という理由で幼い頃から通
    訳や翻訳、行政手続きを担っている子どもたち
    のこと。本書は、一人の少年の人生を通して、
    彼らに対する教育と社会のあり方を問う。

  • 『戦争×書物』
    著者:アンドルー・ペティグリー 出版社:柏書房
    近代の戦争における本や図書館の役割を世界
    史的観点から紐解く一冊。戦意高揚の宣伝に
    留まらず、情報戦や思想統制、国家に都合よ
    く利用されてきた歴史を解説し、読者が信じ
    る「本の自由」の裏に潜む、国家の意図と背
    景を暴き出す。

  • 『星の味 輝くコトバを旅する』
    著者:徳井いつこ 出版社:地湧社
    編集者を経て、手仕事や暮らしの美、本や映
    画、異なる文化の人々の物語など執筆する著
    者が、古今東西の詩人や作家の数々の言葉に
    ついて綴る。エンデ、タゴール、ブラッドベ
    リ、シンボルスカ、谷川俊太郎らの言葉が鮮
    やかによみがえる。ブックリスト100冊付き。

  • 『文学フリマ物語』
    著者:鈴木沙巴良 出版社:ウェッジ
    出版不況のいま、なぜ文学フリマに人が集ま
    るのか?初回から参加する著者がその熱気に
    迫った一冊。ネットの喧騒を離れ、ZINEなど
    の“紙の本”で他者とつながる創作の原点がこ
    こにある。読む人、書く人、売る人へ本とい
    うメディアが持つ魅力と未来を示す。

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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。

2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。