2025-05-01

【誠品選書】2025年5月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2025年5月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『わたしはなれる』
    著者:サンギータ・ヨギ 出版社:green seed books
    インドのアーティスト、サンギータ・ヨギ
    は「これからの女たち」の絵を描くことで
    自分の夢、自分がなれたかもしれないもの
    を表現し続けた。彼女自身の自由の無い生
    活を同時に知ることで、強いメッセージ性
    のある一冊となっている。

  • 『天使も踏むを畏れるところ』
    著者:松家仁之 出版社:新潮社
    舞台は1960年の東京。皇居の新宮殿を造る
    という大事業に携わった人々を描く群像劇。
    芸術としての建築と機能性をめぐる攻防に
    加え、高度成長期の高揚した世相も鮮やか
    に描かれる。読売文学賞受賞作『火山のふ
    もとで』の前日譚。

  • 『ロッジア』
    著者:金野千恵 出版社:学芸出版社
    大阪・関西万博のギャラリー設計を手掛け
    た著者がまとめた、世界中の半屋外空間
    「ロッジア」の観察記録。そこには彼女が
    東京にも必要と感じる、寛ぎの空間が壮大
    な写真とスケッチで描かれる。地域毎に異
    なるロッジアのある景色を堪能してほしい。

  • 『タコ・イカが見ている世界』
    著者:吉田 真明 滋野 修一 出版社:創元社
    例えばタコは、八本の腕が独立した神経組
    織を持ち、それぞれの腕で独立した作業を
    行い、他個体の行動を観察して学習できる
    という。そしてイカは何と“自制心”を持っ
    ている?!彼らの高度な知性の秘密を探り、
    豊富な図版とともに解説する一冊。

  • 『オーロラの下、北極で働く』
    著者:松下隼士 出版社:雷鳥社
    観測隊の技術者として北極で長期滞在を経
    験した著者の日記をまとめた一冊。世界各
    国の観測施設がある北極圏の小さな町。極
    地といういわば「死」の世界で出会えた人
    々の「生」の輝きが眩しい。一期一会とい
    う言葉の意味を実感できる一冊。

  • 『踊るのは新しい体』
    著者:太田充胤 出版社:フィルムア−ト社
    ダンス経験者である医師が投げかける、現
    代のダンスにおける違和感や疑問を論じた
    一冊。AIやデジタル技術が進む昨今、いず
    れ生まれ持った身体を使って踊る必要がな
    くなる―という著者の危機感からは、身体
    芸術の魅力とは一体何かを考えさせられる。

  • 『イザドラ・ダンカン 美と魂の表現者』
    著者:柳下恵美 出版社:国書刊行会
    モダン・ダンスの祖ともいわれ、二十世紀
    を代表するダンサーの評伝。伝統的・形式
    的なバレエの枠から離れ、自然を師とし、
    軽やかな衣装を着け、自由闊達で魂を込め
    た裸足のダンスは、その後のダンスの世界
    に大きな影響を与え続けている。

  • 『SUDIRU』
    著者:岡本恵昭・新城大地郎 出版社:赤々舎
    60年代、宮古島を中心に沖縄の民族文化
    ・祝祭儀礼を採集・研究した民俗学者の
    祖父が撮りためた写真と、芸術家である
    孫による書やドローイングの重なりが、
    “SUDIRU”(“蘇り”を意味する宮古の言
    葉)を我々の裡に喚起する。

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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。

2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。