
当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2022年6月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。
『絶滅へようこそ』
著:稲垣諭 出版社:晶文社
2050年には地球全体の人口が減少に転ずる
と予測されている今、人類が絶滅することを視野に入れて思考することが必要である。
そうすれば、私たちは明日一日を絶妙な力加減で生きることができるかもしれない―。
先人たちの説を引用しながら説いている。
『攻撃される知識の歴史』
著:リチャード・オヴェンデン 出版社:柏書房
文化が駆逐される時、為政者にとって不都合な情報や知識は攻撃され、破壊される。
司書と公文書館職員は、戦火から書物を保護し、改竄の魔の手から情報を守り抜いて来た。図書館・公文書館こそ、文化の砦なのだ。
『撤退論』
著:内田樹編 出版社:晶文社
内田樹が「撤退」をテーマに15名の識者に寄稿を依頼し、編集した論集。急速な人口減少、地方消滅、財政赤字、デフレなど、「課題先進国」である日本において、「撤退する日本はどうあるべきか」について知恵を集めた一冊。
『シャギー・ベイン』
著:ダグラス・スチュアート 出版社:早川書房
舞台はグラスゴーの貧困地区。アルコール依存症になったシングルマザーの母の世話をするため、ろくに学校に通えないシャギー少年。“ヤングケアラー”を描いた小説だが、愛に満ちた物語でもある。著者の長編デビュー作にしてブッカー賞受賞作。
『映画を早送りで観る人たち』
著:稲田豊史 出版社:光文社
動画コンテンツの早送り視聴は、約8割もの人が経験しているという。次から次へと倍速で消費されていく映画。動画再生の技術が向上した結果、時間効率のために間を味わわない。本書は、時代が生んだ「倍速視聴」を詳しく解明していく。
『橋川文三とその浪曼』
著:杉田俊介 出版社:河出書房新社
昨年生誕100年を迎えた思想家・橋川文三。保田與重郎、丸山眞男、柳田國男、三島由紀夫らとの知的格闘の軌跡を追い、太平洋戦争とその敗北こそこの国が“歴史”と向き合う好機であったと喝破した彼の思考の核心に迫る好著。
『生存の迷宮 The Labyrinth』
著:シモン・ストーレンバーグ 出版社:グラフィック社
地上に満ちた有毒物質から逃れ、地下に建設された都市で生き延びようとする人々、“トカゲの尻尾切り”で地上に遺される人々。コロナ禍の寓話と評されるこの本は、しかし既に現在私たちが目前にしている光景そのものではないのか?
『ソシュールのアナグラム予想』
著:山中桂一 出版社:ひつじ書房
ヨーロッパにおける構造主義言語学の泰斗、ソシュールは古典詩行に潜むもう一つの語がアナグラムの形で存在するのではないかと直感した。この学説に関しての研究の紆余曲折を辿り、(おそらくは)最終解と思しい近年の成果を記す。
店頭受け取り、オンライン売り切れ商品等のお問い合わせはお電話にて承ります。
03-6225-2871