2022-11-01

【誠品選書】2022年11月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2022年11月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『無人島のふたり』
    著:山本文緒 出版社:新潮社

    2021年4月、膵臓がんでステージ4bと宣告
された作家の山本文緒さんが、10月に亡く
なる直前まで書き綴っていた日記。最期ま
で「書く」ことを手放さなかった作家が、
死に直面した時なにを思っていたか。残さ
れた私たちが受け取るものは大きい。

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  • 『力と交換様式』
    著:柄谷行人 出版社:岩波書店

    著者が提唱する、経済的下部構造としての
《交換様式》A=互酬、B=服従と保護、
C=商品交換を乗り越える可能性Dとは。
資本=ネーション=国家を乗り越えるため
の「力」を顕現させる方法は。人類の歴史
の転機を迎えつつある現在、必読の書。

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  • 『異彩を、放て。』
    著:松田文登 松田崇弥 出版社:新潮社

    知的障碍のあるアート作家とライセンス契
約を結び、製品にして販売する会社「ヘラ
ルボニー」。創業者は20代の双子の兄弟。
自閉症の兄を持ち、幼い頃から社会の優し
さも残酷さも味わってきた2人が、起業の
経緯やこれまでの仕事を語る。

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  • 『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』
    著:麻布競馬場 出版社:集英社

    Twitter投稿から生まれた短編小説集。人
も羨む「エリート」になることに最も価値
を置いている人たちが、どこかの段階で躓
いてしまったとき、人生とどう折り合いを
つけていくか。「いいね!」の数ではない
本当の幸せの意味を考えさせられる一冊。

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  • 『スマホ・デトックスの時代』
    著:ブリュノ・パティノ 出版社:白水社

    スマホとともに育ったミレニアル世代の注
意持続時間は、金魚と同じ9秒。著者はこ
れを「金魚文明」と呼び、現代人はスマホ
という金魚鉢から抜け出さなければならな
いと説く。そのためには既存プラットフォ
ームのあり方も見直す必要があると提言。

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  • 『子供たちに民主主義を教えよう 対立から合意を導く力をはぐくむ』
    著:苫野一徳 工藤勇一 出版社:英治出版(あさま社)

    ヤフコメやSNSに溢れる、およそ合意形
成とはほど遠い嘲笑や罵倒の応酬。世界の
民主主義国家の中でも“政治参加”“人権
擁護”のスコアが際立って低い日本で、今
子供たちに我々は何を伝えるべきか。教育
現場のプロと、哲学者の真摯な対話。

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  • 『フェミニスト・シティ』
    著:レスリー・カーン 東辻賢治郎 出版社:晶文社

    男性の視点でつくられてきた近現代の都市
    や公共空間を再考し、女性の視点を取り入れた都市の再構築を促す。マイノリティや障碍者への配慮も忘れてはいけない。本書は、都市をつくる人や、都市に住み暮らす人にとって欠かせない視座を我々に気付かせてくれる。

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  • 『NAGASAKA MAGO ALL SELECTION』
    著:長坂真護 出版社:小学館

    先進国で廃棄された電子機器ゴミの山をガーナで見た筆者は、廃棄物でアートを創り、売上でガーナに学校や農地をを作った。私たちが使うモノは捨てられた後のことまで考えて、本当に大切にされているのか。作品のメッセージは強烈に心を打つだろう。

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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。

2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。