2025-04-07

駒込武さん×劉彦甫さんトークイベント

近年、「台湾有事」をめぐる議論が高まっています。
在日米軍基地の7割を抱える沖縄では、自衛隊の「南西シフト」構想のもとでさらなる軍事化が進み、沖縄の人びとは戦時には攻撃対象となるリスクを背負いながら生活しています。一方、中国による併合の意図に抗い、自主独立の現状を守りたい台湾にとって、日米のこうした動きは自らの防衛に有利にはたらくものだといえます。

地政学的構造からいえば対立関係にある台湾と沖縄ですが、歴史的に見れば、日本と中国という2つの大国の狭間で相似した運命をたどってきました。いまそれぞれが直面する危機も、元をたどれば、帝国による植民地支配や中央集権的包摂/排除に起因する側面が大きく、リアルな戦争に備えて生活空間の軍事化が進展している点においても、こうした境遇の自力での解決が困難な立場にある点においても、共通の課題を抱えているといえます。

台湾と沖縄の人びとが、立場の違いを乗り越え、ともに平和である道はないのか? このような問題意識から、昨年10月に『台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い』を刊行いたしました。今回はこの本をめぐって、編者の駒込武が、台湾・中台関係分野の報道をリードする東洋経済記者の劉彦甫さんをゲストにお招きし、議論します。


■イベント情報
日 時:2025年4月7日(月) 19:00~20:30(終了時間は前後する可能性がございます。)
定 員:会場観覧 40名/オンライン
場 所:誠品生活日本橋内 イベントスペース「FORUM」/オンライン
    ※後日、準備が出来次第、アーカイブ配信のご案内をお送りいたします。
参加費:<会場観覧>
    当日までに当店にて書籍をご購入、レシートをご持参ください。※3,300円(税込)
    書籍を購入されない方は、会場観覧(書籍購入無)1,100円(税込)のチケットをお申し込みください。
    <オンライン>
    書籍付き 4,000円(税込)※書籍代+送料+決済処理費用含
    書籍無し 1,100円(税込)

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オンライン

  • ■登壇者紹介
    駒込 武(こまごめ・たけし)

    京都大学大学院教育学研究科教授。専攻は植民地教育史、台湾近現代史。単著に『植民地帝国日本の文化統合』(岩波書店、1996)、『世界史のなかの台湾植民地支配――台南長老教中学校からの視座』(岩波書店、2015)、『「私物化」される国公立大学』(岩波書店、2021)、訳書に呉叡人『台湾、あるいは孤立無援の島の思想――民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて』(みすず書房、2021)。

  • 洋経済編集部員・記者。
    台湾・中台関係を中心に国際政治やマクロ経済が専門。現在は、特集や連載の企画・編集も担当。1994年台湾台北市生まれ、客家系。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了(ジャーナリズム)。日本台湾教育支援研究者ネットワーク(SNET台湾)特別研究員。早稲田大学台湾研究所招聘研究員。

  • ■書籍紹介
    書 名:台湾と沖縄 帝国の狭間からの問い
    出版社:みすず書房
    I S B N:978-4-622-09734-1
    価 格:3,300円(税込)
    発売日:2024年10月10日

    米中対立の高まりを背景として、近年、「台湾有事」の可能性が現実味をもって議論されている。在日米軍基地の7割を抱える沖縄では、自衛隊の「南西シフト」構想のもと、さらなる軍事化が進む。前線に押し出された沖縄の人びとは、戦時には攻撃対象となるリスクを背負わされている。一方、中国による併合の意図に抗い、自主独立の現状を守りたい台湾にとって、日米の参戦は自らの防衛に有利にはたらく。このような地政学的構造から見たとき、台湾と沖縄は明らかに対峙する関係にある。
    だが、歴史的に見れば、両者は、日本と中国という二つの大国の狭間で相似した運命をたどってきた。いまそれぞれが直面する危機も、元をたどれば、帝国による植民地支配や中央集権的包摂/排除に起因する側面が大きい。リアルな戦争に備えて生活空間の軍事化が進展している点においても、こうした境遇の自力での解決が困難な立場にある点においても、共通の課題をもつ。

    台湾と沖縄――この〈帝国の狭間〉に置かれた人びとが、立場の違いを乗り越え、ともに平和である道はないのか? 日本の「本土」に暮らすわたしたちは、このようなジレンマを生みだす者としての当事者性を自覚したとき、どのように言葉を紡ぐことができるのか? 本書は、この問いを起点として、歴史認識と倫理的価値にもとづく〈同盟〉を模索する対話の試みである。

■お問い合わせについて
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誠品生活日本橋:03-6225-2871(平日11時~20時/土日祝10時~20時)