2023-04-01

【誠品選書】2023年4月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2023年4月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』
    著:伊藤聡 出版社:平凡社

    中年男性が自らのスキンケアに初めて真剣に向き合った記録というだけでなく、なぜ男性はセルフケアを敬遠するのかという問いからジェンダー・バイアスにも触れている。美容を介して、男女で見えている世界が異なることに気付かせてくれる一冊。

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  • 『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら』
    著:チョン・アウン 出版社:DU BOOKS

    どうして専業主婦の労働は労働としてみなされないのかという疑問を持った著者は、古今東西の書物を読むことで、原因は資本主義にあると看破。金を正義とする資本主義社会が、いかに巧妙に家父長制を利用して女性のケア労働を搾取しているかを説く。

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  • 『抵抗する動物たち』
    著:サラット・コリング 出版社:青土社

    動物たちは、なぜ、どのように、何のために抵抗するのか。精神を持った行為主体として捉えられ、人間の政治的・社会的運動にも影響を与える動物たち。数々の抵抗した事例から分かってくる動物の<声>は、無視できない程大きくなってしまった。

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  • 『百貨店の戦後史』
    著:夫馬信一 出版社:国書刊行会

    戦後日本全国の都市にあった多くの百貨店は閉店へと追い込まれた。地域の商業的・文化的な中心として刻まれたデパートの歴史を振り返り、再開発で変わりゆく街と運命を共にする未来を思いやる。百貨店それぞれに、関わる人たちの熱い想いがある。

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  • 『場所、それでもなお』
    著:ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 出版社:月曜社

    ユダヤ人絶滅収容所をどんな言葉で語り得るのか。「表象不可能」にされたものを前に、私たちが沈黙し、時間の彼方に忘却してしまうことに、どのように抗うべきか。バタイユ以降の重要な美術史家=哲学者が歴史の闇を照らそうとする想像と思考。

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  • 『無用の効用』
    著:ヌッチョ・オルディネ  出版社:河出書房新社

    日本と同様、イタリアにおいても文系の学問は無用で役に立たないとみなされる傾向にあるらしい。ルネサンス文学の研究者が専門外の一般読者に向けて書いた初めての著作。古典の名言を引用しながら、「知」の価値は金銭に換算できないと論じる。

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  • 『講義 アメリカの思想と文学』
    著:白岩英樹 出版社:白水社

    人はいかに生きるべきかを問い続けることが人文学であるというテーマから出発し、アメリカ文学の重要な作家とその思想を紐解きながら、それらの多様な「声」を自らに取り込んでいくことを教える。高知県立大学文化学部「米文化・文学論」の書籍化。

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  • 『岡潔の教育論』
    著:中沢新一(編) 出版社:コトニ社

    岡潔の教育エッセイと、岡潔・森本弘との対話の記録をまとめたもの。論理と情緒を融合させることで、人と人とをつなぐより良い社会が作られるはずという岡の教育論は、半世紀前のものでありながら、効率ばかりが重視される現代にも有効ではないか。

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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。

2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。