
当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2023年1月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。
『体はゆく』
著:伊藤亜紗 出版社:文藝春秋
楽器の演奏でもスポーツでも、できなかったことが「できる」ようになる時、体に何が起きているのか。どんどん遠くへいってしまう「テクノロジー」を、人の体に近いところに引き寄せるような仕事をしている5人の研究者との対話から探った一冊。
『捨てない未来』
著:枝元なほみ 出版社:朝日新聞出版
フードロスと飢餓ゼロのために活動する料理研究家が提案する、食材を無駄にしないための考え方やレシピ、保存法。未来を生きる子どもたちにおおらかな自然環境を残すために、いまできることは何か。京都大学准教授・藤原経辰史さんとの対談も収録。
オンラインサイト
『ボーダー』
著:佐々涼子 出版社:集英社
本書のテーマは移民と難民。入管問題、技能実習制度、難民支援施設を取材し、現在の日本の外国人政策の問題点を訴える。少子高齢化・多死社会を迎え、労働力が不足する日本で、外国人とどうやって共に暮らしていくか。私たちの姿勢が問われている。
オンラインサイト
『姫とホモソーシャル』
著:鷲谷花 出版社:青土社
女性キャラクターの自主性を切り取っていくという視点で、これほど膨大な数の映画を批評した本を見たことが無い。「フェミニズムによる家父長制批判」とは異なる刺激的な切り口。評されている映画をもう一度観て著者の視点をご確認頂きたい。
オンラインサイト
『大きな大きな大きな足あと』
著:ロブ・シアーズ トム・シアーズ 出版社:創元社
地球上の全てを、それぞれ種類ごとに巨大な1個体に纏めて、比べる思考実験の絵本。人類よりも虎は小さく、ウイルスは何倍も大きい。地球につけた自分の大きな足跡を見て何を思い、地球環境や他の生物とどう関わるのか。深く考えさせられる1冊。
オンラインサイト
『惑う星』
著:リチャード・パワーズ 出版社:新潮社
地球外生命体を探る科学者の父と、絶滅に瀕する動物に心を寄せる、母を亡くしたばかりの少年。父が少年をある実験に参加させてのち、彼は驚くべき聡明さを発揮し始めて―。現代アメリカ文学最高の作家とも言われる著者の最新傑作。
オンラインサイト
『笑い神 M-1 その純情と狂気』
著:中村計 出版社:文藝春秋
賞金一千万円の漫才番組『Мー1』。“笑い”を巡り七転八倒、苦悩するはたから見れば滑稽なほど真剣で、健気な、しかし目に狂気を孕んだ漫才師たち。コンビ「笑い飯」の二人を軸に、この国で開花したこの特異な娯楽と格闘する人々を描く。
『じゃむパンの日』
著:赤染晶子 出版社:PalmBooks
『乙女の密告』で2010年芥川賞を受賞した著者は2017年に早世した。京都で生まれ育った彼女の日常は、彼女の言葉で紡がれた瞬間に、そこにあるのに特別で、かけがえのない世界に変貌する。岸本佐知子との『交換日記』を併録。
オンラインサイト
店頭受け取り、オンライン売り切れ商品等のお問い合わせはお電話にて承ります。
03-6225-2871
台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。
2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。