2022-05-01

【誠品選書】2022年5月おすすめ書籍

当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2022年5月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。

  • 『八月の母』
    著:早見和真 出版社:KADOKAWA

    団地の一室で女子高生が知人の若い男女に集団暴行された末に死亡。2014年に愛媛県で実際に起きた事件をもとにした長編小説。
    この団地に暮らす家族の歴史を繙きながら「家」の呪縛と、鎖を断ち切って逃れる勇気を描き出している。

  • 『世界史の考え方』
    著:小川幸司 成田龍一 出版社:岩波書店

    今年度から全国の高等学校で「歴史総合」の授業が始まった。これを機に刊行されたシリーズ「歴史総合を学ぶ」の第一巻。時代順に五章に分かれ、三冊の歴史書を取り上げ、識者が対話を重ねる。歴史を多角的に検討することの重要性が示されている。

  • 『台湾同性婚法の誕生』
    著:鈴木賢 出版社:日本評論社

    2019年、台湾でアジアで初めて成立した同性婚法。ここに至るまでの経緯や、成立後の状況を丹念に追いかけた一冊。著者が「専門書と一般書の中間を目指した」と言うとおり読みやすく、日本における同法成立への課題を考えるための手掛かりになる一冊。

  • 『パッシング 流砂にのまれて』
    著:ネラ・ラーセン 出版社:みすず書房

    著者は二十世紀初期のニューヨークで活躍したアフリカ系アメリカ人女性。本書に収められた二編と、三本の短編小説を残して文学の世界から姿を消した。BLM、ジェンダー、LBGTなど現代にも通じる問題が鮮やかに描かれている。再評価されるべき作家。

  • 『現代思想入門』
    著:千葉雅也 出版社:講談社

    二十世紀後半に主にフランスで展開された「ポスト構造主義」。その代表として、デリダ、ドゥルーズ、フーコーの思想を解説。
    「複雑なことを単純化しないで考えられるようになる」という現代思想を学ぶメリットは、多様性が叫ばれる今の時代こそ必要。

  • 『ベリングキャット』
    著:エリオット・ヒギンズ 出版社:筑摩書房

    オンライン探偵団が、誰でもアクセスできる情報を駆使してどのメディアも出来なかった世界の難事件を解明する。本書は、報道と調査のありかたに一石を投じ、フェイクニュースに惑わされないメディアリテラシーの重要性を我々に喚起してくれる。

  • 『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』
    著:金間大介 出版社:東洋経済新報社

    自信の無い若者・学生たちの、内側から蔓延していく無意識の同調圧力。最も嫌うのは目立つこと。ひと昔前とは全く異なる現在の「いい子」を明らかにする。見守る大人も、若者自身も、なぜそうなるのか考え、変わっていくきっかけになるだろう。

  • 『ファッションスタディーズ』
    著:蘆田裕史 藤嶋陽子 宮脇千絵編 出版社:フィルムアート社

    ファッションについて考えることは社会を考えること―。クリティカルワードから現在を読み解くシリーズの一冊。消費、メディア、ジェンダーなど考えるときに定番の切り口から、サスティナビリティ、規範と作法など最新のテーマまで要点を押さえる。

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