
当店の書籍担当者3名が8冊ずつ推薦した準新刊の中から、毎月8点選んでいる誠品選書。
2024年5月も新たな選書が揃いましたので、ご紹介いたします。
『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ』
著:エドワード・W・バートン=ライト 出版社:平凡社
シャーロック・ホームズの護身術「バリツ」
とは何か。1900年頃、イギリス人バートン=
ライトが編み出した日本式格闘術「バーティ
ツ」であるとする説が有力とされている。
本書は、その技の数々を当時の写真と文章ご
とまとめて紹介。シャーロキアン必読の一冊。
『ネオ日本食』
著:トミヤマユキコ 出版社:リトル・モア
日本人の口に合うよう外国の料理をアレン
ジすることは、開国以来絶えず努力を重ね
て続けられてきた。古来の伝統的和食だけ
でなく、日本に定着した新しい日本食も、
歴史は紡がれていく。果たしてネオ日本食
は未来の「和食」となるのだろうか。
『DJヒロヒト』
著:高橋源一郎 出版社:新潮社
ヒロヒトと戦前・戦中文化人の“なかった
はず”の交流。謎のラジオ放送「オールナ
イト・パラオ!」。南方熊楠から金子文
子、果てはナウシカまでが登場し、昭和史
と文学史をリミックスする。あの戦争とは
何だったのか?著者の六年越しの最新作。
『徹底討議 二〇世紀の思想・文学・芸術』
著:松浦寿輝、沼野允義、田中純 出版社:講談社
第一次世界大戦を挟み込む形で執筆された
プルースト『失われた時を求めて』論に始
まり、二〇世紀の主要な政治・社会・文学
的課題が縦横に語られる連続鼎談の記録。
時代が転回する今、閉塞する世界からどの
ように我々は「外」へ出られるか?
『Invention and Innovation』
著:バーツラフ・シュミル 出版社:河出書房新社
これまで人類が発明してきた様々なもの
(飛行船、原発、フロンガス等)を取り上げ、
時代背景も踏まえつつ、数々の失敗から
導き出される教訓を明らかにする。AIや
バイオテクノロジーなど、眼前の新しい
技術への向き合い方も教えられる。
『マッドアダム』
著:マーガレット・アトウッド 出版社:岩波書店
舞台は謎のウィルスによって人類がほぼ絶
滅した世界。本書は三部作の完結編で、前
二作を次世代に伝承するように物語は進む。
第一作『オリクスとクレイク』が刊行され
たのは2003年。まるでコロナ禍を予見し
ていたかのような近未来小説。
『私はアウシュヴィッツと5つの収容所を生きのびナチス・ハンターとなった』
著:ヨセフ・レフコヴィッチ マイケル・カルヴィン 出版社:河出書房新社
最も厳しいと言われるユダヤ人収容所を複
数経験して生還した人は少ない。その中の
一人である著者は、自分が居た収容所の所
長を捕らえ、連れ去られた子供たちを奪還
する活動へと身を投じていく。必死に生き
延びた若き日を振り返り、語る真実とは。
『Farm to Table』
著:浅野悦男 成見智子 出版社:平凡社
千葉でレストラン向けの野菜を作る浅野悦男氏。
この人の野菜はひときわ濃く力強い
味がする、名だたるシェフを唸らせる「伝
説の農家」。二年にわたる取材をまとめた
本書から見えてくるのは、飾らない人柄、
好奇心、探求心、そして野菜への愛である。
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台湾の誠品書店では、毎月「誠品選書」を選出しています。
1990年11月のスタート当時から、選書の基準を「すでに重版されたもの、版権のないもの、一時的に流行しただけのもの、通俗的な本は選ばない。学術的、専門的なもの、一般向けのものなどを問わず、難しいものである必要はないが、創作と出版に対する誠意があるものならジャンルを問わず推薦書籍とする」としました。
2019年、東京の日本橋にオープンした当店でも、「誠品選書」を通して読者に誠品の観点を伝えていきたいと考えています。日本の多種多様な出版物の中から、その月の代表的で、話題性、独創性があり、編集が優れている書籍をセレクトし、プレゼンテーションと投票によって、毎月8点の誠品選書を選出しています。