2025-03-17

複合災害の被災地から、希望の芽を育む女性たち 鈴木純子さんトークイベント

東日本大震災によって地震・津波という自然災害と原発事故という人為的災害の両面に見舞われた福島県いわき市は、耕作放棄地の増加や被災者と原発避難民の分断など、長期的な課題を抱えます。

そこで立ち上がったのが、1990年から草の根の市民活動をしていた女性たち。耕作放棄地でオーガニックコットンを皆で栽培し、コミュニティの再生へとつなげたのです。

苦しい状況でも活動を積み重ねてきたその軌跡を、今も被災地に寄り添い続ける女性リーダーが語ります。


■イベント情報
日 時:2025年3月17日(月) 19:00~20:00(終了時間は前後する可能性がございます。)
定 員:会場観覧 40名/オンライン(Zoomウェビナー)
場 所:誠品生活日本橋内 イベントスペース「FORUM」/オンライン
参加費:無料

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会場観覧
オンライン

  • ■登壇者紹介
    鈴木純子(すずき・じゅんこ)

    1965年生まれ。16歳のときに起業することを決意し、1996年のインターネット創世記にITベンチャーである株式会社アプロディーを設立。
    1999年からは社会活動にも参画。ひとり親家庭、再婚家庭をはじめとした家庭内の環境・問題による悩みを抱える親子をサポートするNPO法人の理事や、国際女性デー組織委員会の幹事も務めた。
    2009年、着るものからのアプローチで持続可能な循環型社会の実現を目指す、一般社団法人日本リ・ファッション協会を設立。

    東北被災地への支援も継続しており、現在では福島県いわき市で興った一般社団法人ふくしまオーガニックコットンプロジェクトの理事も務める。
    設立者で『想いはこうして紡がれる』著者である吉田恵美子とともに、地震・津波と原発事故の複合災害の現場となったいわきの地で、オーガニックコットンを通じた取り組みを行っている。

  • ■書籍紹介
    書 名:想いはこうして紡がれる
    出版社:英治出版
    I S B N:9784862763600
    価 格:税込2,090円
    発売日:2024/12/14


    【一市民の運動から始まった30年の活動が、まちを変容させた】
     回収した古着のリサイクル率はなんと90%近くに達し(全国平均は34.1%)、いまや「古着を燃やさないまち」として有名な福島県いわき市。この変容を推し進めたのが、1990年創設の老舗NPOザ・ピープル。まだボランティアやNPOという言葉が世の中に定着するはるか以前から、ゴミの問題に対して市民としてなにかできないかという観点で活動を開始し、さまざまなセクターを巻き込み、30年以上をかけて、まちとそこで暮らす人の意識を変えたのです。
     ザ・ピープルで2代目理事長として活躍し、ゴミ問題への取り組みだけでなく、青少年の育成からフードバンク、さらには震災からの復興・コミュニティ再生までに携わってきたのが、吉田恵美子さん。いわきというひとつの地域で、地域の課題に33年間向き合い、「住民主体のまちづくり」を推進してきた立役者です。

    【地域に根を張るイノベーターが生み出した「地味だけどすごい解決策」】
     吉田さんを語るうえで、ザ・ピープルとともに欠かせないのが、「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」。東日本大震災で、地震・津波という自然災害と、原発事故という人為的災害の両面に見舞われたいわきは、発災直後の混乱もさることながら、放射線への不安から発生した耕作放棄地、被災者と避難民との齟齬によるコミュニティの分断など、長期的な課題を抱えることになります。
     分断を埋めようと奔走する吉田さんは、耕作放棄地でオーガニックコットンの栽培→製品化・ブランド化して販売という道にたどり着きます。この取り組みは、結果的に地域内外の人たちの交流の場になるという副産物を生み、コミュニティの再生へとつながっていきます。そして、コットン畑に通っていた新しい世代が地域のために立ち上がるなど、吉田さんの意志が受け継がれていっているのです。

    【想いを次の世代につなぎたい】
     上記の取り組みは、今見ると驚きは少なく、「地味」に見えるかもしれません。しかし、時は1990年。家父長制の意識の残る日本の「地域」、ボランティアやNPOへの理解もない「時代」で、当時ひとりの専業主婦だった吉田さんたちが「気づいてしまった問題」に向き合い、多くの人の助けを得ながら、地域に、社会に向き合う姿には、思わず背筋が伸びます。積み重ねてきた33年の厚みが、小さな一歩の数々に説得力を生んでいます。
    本書は、今、なにか違和感に気づいてしまった人、これからどうやって一歩を踏み出したらいいのか悩む人に対し、吉田さんの半生と、次世代へのメッセージを添えて届けるものです。

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